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BIMでできること2~構造・設備設計・構造解析編

BIMのソフトウェアには構造・設備設計に重点をおいた製品もあります。意匠設計に重点をおいた製品はデザイン志向ですが、構造・設備設計に重点をおいた製品は技術面を重視したエンジニアリング志向であるといえるでしょう。

構造設計向けのBIMソフトでできること

構造設計向けのBMIソフトでは鉄筋やコンクリート構造物の詳細設計を行います。鉄骨や鉄筋や複雑に入り組んだ梁と柱の接合部では鉄筋の太さや間隔や干渉チェックをする必要があります。

これまでの構造設計とBIMでの構造設計

これまでの構造設計では、まず梁や柱をフレーム構造でモデル化し、一貫構造計算ソフトを使って荷重応力や変位などをチェック(構造解析)して部材断面のサイズを決め、建築確認申請に必要な構造図を作成していました。しかし設計段階になって梁や柱のサイズが変更されると図面との整合性がとれなくなるという問題がありました。

一貫構造計算ソフトとBIMを連携することで双方向でデータ交換できるようになります。変更があっても全てのデータにリアルタイムで反映されるので、常に整合性がとれるようになり積算業務が効率化できます。またBIMでは鉄骨・鉄筋・ボルト1本まで詳細に設計できるので集計や計算も効率的に行うことができます。

※一貫構造計算プログラムは日本の建築業界独特の方法です

設備設計向けのBIMソフトでできること

 

設備設計用のBMIソフトでは上下水道、空調用ダクト、電線、ガス配管などの設備を設計します。規格が決まっているものが多く部品データベースが充実しています。

これまでの設備設計とBIMでの設備設計

これまで水道管、ガスの配管、配線などの設備設計は建物躯体設計の後に行い、現場作業できるのは躯体完成から内装工事の前までの短い間でした。現場で建物との干渉が見つかることも多く無駄に工数がかかっていました。BIMを利用すれば業務の前倒し(フロントローディグ)ができ現場合わせのいらない設計が実現できます。製作と設置の分離ができるので工場で事前に製作する施工の前倒しも可能となります。

構造設計・設備設計と意匠設計を連動させてできること

干渉チェック

設計がおわり現場で着工の段階となった時、施工担当者は意匠、構造、設備図面をまとめた総合図を作ります。それをもとにして技術者は部材同士が空間でぶつかっていないかどうか干渉チェックを行います。構造設計、意匠設計、設備設計をBIMのモデルとして連動させれば部材同士が空間でぶつかっていないかなどの干渉チェックも簡単、スピーディにできるようになります。

バーチャル竣工で手戻りをなくす

構造設計、意匠設計、設備設計での干渉、取り付け金具などの細かい部材、仮設材など全ての干渉をなくして施工できる状態まで検証するバーチャル竣工という方法で施工の手戻りがほとんどない状態を実現している工務店もあります。