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BIMが建設業界に与える影響

建設業界で話題となっているBIM。二次元で行われてきた建築物のモデルが三次元モデルとして扱うことができるということで、CADに代わる技術として注目されています。

ここでは、BIMがどのような影響をもたらすのか、どのような課題を解決するかについて紹介していきます。

建設業界で注目を集めるBIM

Building Information Modelingの頭文字をとっているBIM。日本では、国土交通省によって2010年に「官庁営繕事業におけるBIM導入プロジェクト」が開始。2014年にはBIMの導入促進を目的としたガイドラインを発表しています。

2020年実施の建築業界に勤める480人へのアンケート調査では、56%が勤務先でBIMを導入していると回答しています。こちらは大手企業、中小団体に限らず、日経BPクロステックの読者やSNSメンバーなど様々な回答者が含まれているため、平均的な傾向だと考えられます。

参照元HP:BIM活用実態調査レポート2020年版(http://bim-design.com/catalog/pdf/Japan_BIM_Report_2020.pdf)

2010年の調査では導入率が33%であることを考えると、BIMは建設業界に広がってきていることは明らかです。

世界でもBIMの有用性が認められており、シンガポールでは5,000㎡を超える建物について意匠・構造・設備の確認申請のBIMデータ提出が義務付けられていますし、フィンランドでも2012年に共通BIMガイドラインが発表されています。

CADによる設計の課題

今まで、建設業界ではCADによるコンピューター上での設計が主流でした。ただし、CADはあくまでも二次元で考えられた平面図や立面図、断面図などの製図です。

CADでも三次元モデルを作成することはできますが、こちらは二次元で作成した製図を三次元モデルに展開します。

そのため、以下のような課題が挙げられます。

BIMが解決する課題

様々な情報がデータ管理・可視化できる

BIMは形状だけでなく設備設計やコスト、維持管理などの情報を1つのデータで管理することができるので、クライアント、建築士、建設会社など関連部門と共通認識をつもつことができ、従来よりも問題点の指摘が容易になります。

修正作業にかかる時間が短縮化される

CADと異なり最初から三次元で作成ができ、問題点が見つかれば直接三次元モデルで修正ができます。また、1つのモデルを構成するデータがすべて連動しているため1つの修正で平面図や断面図、面積表などが自動修正されるため、修正作業が大幅に短縮できます。

設計士の負担が軽減される

従来二次元から三次元に展開して作業していたものが、BIMを利用すれば最初から三次元モデルが作成できるので設計士の負担が軽減されます。

BIMがもたらす影響

BIMを導入することで、建造物そのものだけでなく施工現場全体のモデリングも行えるようになります。現場に潜むリスクを事前に分析することで安全な作業に繋がるメリットが見込めます。

また、二次元図面作成や修正時の作業時間の短縮、クライアントの打ち合わせ時に要望に応じてその場で三次元モデルを修正することも可能です。

さらに、過去にCADがそうだったようにBIMも建設現場にとどまらず設計が必要となる別業種での活用も期待されています。ジェリー制作・宝石カットデザインなどで功績が期待できます。

今後、BIMがもたらす影響にぜひ注目していきましょう。

BIMソフトの導入は急速に進んでいる

2020年度に建設関係者480人に行った調査(※1)にて56.4%が勤務先でBIMを導入していると回答されているように、BIMの導入は急速進んでいます。 BIM導入済みの286の設計事務所においては、65.9%が「効果があった」とし、プレゼン力の向上、ミスの減少、時間短縮などの実感も得られています(※2)。
代表的なBIMソフトやおすすめの連携ソフトもまとめていますので、検討してみてはいかがでしょうか。

※1…参照資料:2020年度BIM活用実態調査レポート(日経BPコンサルティング) (https://damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/www/apac/pdf/bim-report-final.pdf)
※2…参照資料:日本建築士事務所協会連合会 BIMと情報環境ワーキンググループ「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査 報告書(2019)」(https://www.njr.or.jp/pdf/BIM_report_web.pdf)

代表的なBIMソフトや
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