Omniverse(オムニバース)は、建築やデザインなどプロジェクトに関わる人々の共同作業をメタバースによる仮想空間で実現するオープンプラットフォームです。どのようなメリットがあるのか、オムニバースについて解説します。
オムニバースはメタバースという3D仮想共有世界による、複数人での正確なリアルタイムコラボレーションを実現するために開発されました。オムニバースを通じ、クリエイターやデザイナーやエンジニアは共同作業を行えます。参加するユーザーが各自使っている制作ツールが違ってもOKです。オムニバースを活用すれば、リアルタイムで複数人での共同作業を実現できます。
ロボット、自動車といった製造業を対象としたシミュレーションツールでもオムニバースを通じて複数人による製作ができます。ワークフローを効率化できるだけではなく、必要なデータを用意しなくても大丈夫で複数人がリアルタイムによる更新や変更や繰り返しという作業をスピーディに行えるのです。
利用者や仕事量が増えても柔軟に対応しリアルタイムレイトレーシングやパストレーシングを行えます。
オムニバースはリアルチムレイトレーシングとパストレーシングを駆使して物理的に正確な映像をユーザーに提供できるのです。作業者は写真のような映像を通じて製作に参加できます。オフライン品質によって、作業に関するストレスの軽減も期待できるのです。
RTXテクノロジでレイトレースされた製品は品質を保ったままエクスポートできます。短時間の反復作業を実現できるために多数のデザイン製作が容易にできるようになるのです。また、ひとつの製品に対して、チーム、クライアント、コントラクターまで含めどんな場所にいてもデバイスさえあれば、閲覧、チェックできます。
製品の完成度や問題点やフィードバックを簡単に製作者やチームに伝えられるのもポイントです。忠実度が高いからこそ細部に渡ったチェックを実現できます。機能性の高さにより完成品までのスピードの向上が期待できるのです。
オムニバースは、建築、エンジニアリング、建設のワークフローにおけるすべての段階で従来にはないメリットをもたらします。実現できる理由は、チームの全員がオムニバースの3Dモデルを通じてリアルタイムによるコラボレーションを実現できるからです。コミュニケーションを強化することで生産性の拡大が期待できます。
従来、チーム自体、または製作に関わるユーザーが、国や県ごと、物理的な距離があると、レンダリングの反復作業時間が長くなる、不正確なシミュレーション、フォトリアリズムの点で問題が発生しがちでした。オムニバースの登場により、チーム全体に共通する課題へのスムーズな対処が期待できるようになったのです。
初期コンセプト設計もスムーズ。最初のアイディアを作成してからは、すぐに反復作業に移れます。
クライアントに対するコンペやプレゼンテーションでは、品質の高いものを作成しても納期に間に合わなければ採用される可能性はほぼありません。納期に間に合っても、提案したものの品質が圧倒的に悪いのと同じ結果が待っているのです。オムニバースはスピードと提案する製品の品質の確保を提供できるため、納期という難題をクリアできます。
高速のレンダリングにより写真のような設計が可能。スピーディな反復作業を通じてアイディアを反映できることで、納得できる品質と共に、納期に余裕を持って作業を進められるようになるでしょう。
共同作業では、必要な意思決定や意見の統一、共有課題の改善もスムーズに行えます。複数人が参加するプロジェクトチームでは、会社と自宅、県と県、国と国の距離が離れている場合、スムーズなコミュニケーションが困難です。
オムニバースならその問題を解決できます。物理的な距離によって生じる設計の意思決定や、欠陥に関する問題点もスムーズなコミュニケーションを通じて解決できるのです。タイムラグが減るため、精神的な余裕もできますしストレスを減らすという点でもプロジェクトチーム全体に恩恵をもたらします。
オムニバースの正確なビジュアライゼーションは、レビュー回数を減らす助けになります。ビジュアライゼーション能力がないと、正確性を確保できません。正確性がなければ、魅力的なアイディアを提案し、構築をしても細部に不具合が生じます。結果、プロジェクトは予定より時間を無駄に消費することにつながるのです。
オムニバースは正確なビジュアライゼーションとスムーズな共同作業を提供することで、設計レビューの回数を抑えることができ、プロジェクトをスムーズに進められます。
オムニバースは特定業界を対象とした専用アプリケーションを用意しています。それが、Omniverse ConnectorとOmniverse Viewです。
PixarUSDによるシーンの組み立て、照明、シミュレーション操作やレンダリングをリアルタイムで実施できます。リアルタイムのシミュレーションや画像や動画の構築を簡単にできるのが強みです。コンテンツの閲覧や変更も簡単にできるのもポイント。Omniverse Connectors を利用すれば、Autodesk RevitやTrimble SketchUpなどのアプリケーションと接続もできて3Dモデルやアニメーションや光源までUSD形式に変換できます。
好みの制作環境に合わせ、ライブ同期、非同期公開も変更可能です。多種多様なツールから個別デザインファイルを結合し、ひとつのプロジェクトに集約できます。変更もOmniverse Create が追跡記録して、結合したプロジェクトを適宜更新するために面倒な作業への負担を軽減できるのです。
ビジュアライゼーションも容易に製作。アニメーション、シミュレーション、作成したビジュアライゼーションを出力して共有するのも簡単です。
シームレスな共同設計を実現し建築やエンジニアプロジェクトに関し没入型ビジュアライゼーション、リアルなレンダリングができるようになります。多種多様な業界に対応できるフォトリアリズムによって3Dデザインプロジェクトのプロジェクトの共同レビューが可能です。
シンプルで直感的なデザインのインターフェイスと操作性で、専門知識不要で始められます。没入型ビジュアライゼーションで、仮想世界とは思えないほどの忠実なモデルを操作できるのです。技術設計やプロジェクトマネージャーやサプライヤーまで、任意のデバイスにストリーミングし、編集や変更情報をリアルテイムで共有、確認できます。
OMNIVERSE (オムニバース)は、制作環境に変革をもたらす可能性のあるプラットフォームです。3Dによる共有仮想空間により、ユーザーやクライアントまでプロジェクトに関わるチーム全体をつなげられます。設計、デザイン、シミュレーションなど幅広い業種のプロジェクトの質とスピードを高められるでしょう。
2020年度に建設関係者480人に行った調査(※1)にて56.4%が勤務先でBIMを導入していると回答されているように、BIMの導入は急速進んでいます。
BIM導入済みの286の設計事務所においては、65.9%が「効果があった」とし、プレゼン力の向上、ミスの減少、時間短縮などの実感も得られています(※2)。
代表的なBIMソフトやおすすめの連携ソフトもまとめていますので、検討してみてはいかがでしょうか。