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BIMとは 3D CADとの違い

BIMとは何か

BIM(Building Information Modeling)とはコンピュータ上で建物の意匠、構造、設備などの構築を行って3次元の仮想建物立体モデル(BIMモデル)を作るものです。初期段階に建物の構築を行うことができるため、設計や施工の工数やミスを減らし、よりよい建物づくりに活用することができます。

何のために導入が必要なのか

ITの活用は各業界においても進んでいますが、今、なぜBIMが建築業界で注目を集めているのでしょうか?

効率化が期待できる

深刻な人手不足をかかえる建築業界ではITを活用して生産性を高めようという動きが高まっています。BIMを使用することによって効率的な設計、施工ができるだけでなく、各プロセス中で作成されたデータも記録しておけるので、運用やメンテナンスに役立てることが可能となります。1つのモデルに全ての情報を集約し、設計から施工まで一括管理できるので設計プロセス全体の効率アップとコスト削減が期待できます。

建物の見える化

これまでの図面による設計では実際に完成した時に柱が邪魔など、設計段階ではわからなかった問題が起きがちでした。建物が出来上がった後に、こうすればよかった、ああすればよかったと言っても、どうすることもできません。しかし建物の形状、内部空間などを3次元で再現できるBIMなら、設計段階から完成した建物の見える化が可能です。施主と建築関係者との間で常に設計内容が共有されることでイメージ通りの建物を造ることができるのです。

BIM/CIM適用が前倒しに

2019年、国土交通省は建設現場の生産性向上を図るため、2025年までに小規模工事を除いた全ての公共事業に原則BIM/CIMビルディング・インフォメーション・モデリング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を適用する方針を打ちだしました。しかし新型コロナウィルス問題を踏まえ、2020年4月、2年前倒しの2023年までとすることを決定。建築業界での導入が急がれています。

デジタル技術とデータを活用することで従来よりも生産性を上げられるBIMの導入は、厳しい業界を生き抜き、建設業の DX(デジタル・トランスフォーメーション)を成功させるために、今後、必須になるだろうといわれています。

※参照元資料:国土交通省「第4回 BIM/CIM推進委員会資料」(PDF)
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001362119.pdf

従来の3D CAD、CGとは何が違うのか

これまで主流だった3D CADは3次元モデルを作るために、まず2次元図面を作成し、その後3次元形状を組み立ててCGでシミュレーションするというものでした。しかし3次元化した後に修正が入ってしまうと、2次元モデルに修正を加えた後、関連する全ての3次元図面を修正しなければならず、大変な手間と工数がかかっていました。

最初から3次元で設計するBIMでは3次元モデルから2次元図面を切り出すことができます。またBIMモデルはすべてのデータが連動しているので、BIMモデルを修正した場合には平面図、立面図、断面図、パース、数量表、面積表などが自動的に修正され、いつでも図面間の整合性を保つことが可能。無駄な作業がなくなり生産性もアップします。

BIMソフトの導入は急速に進んでいる

2020年度に建設関係者480人に行った調査(※1)にて56.4%が勤務先でBIMを導入していると回答されているように、BIMの導入は急速進んでいます。 BIM導入済みの286の設計事務所においては、65.9%が「効果があった」とし、プレゼン力の向上、ミスの減少、時間短縮などの実感も得られています(※2)。
代表的なBIMソフトやおすすめの連携ソフトもまとめていますので、検討してみてはいかがでしょうか。

※1…参照資料:2020年度BIM活用実態調査レポート(日経BPコンサルティング) (https://damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/www/apac/pdf/bim-report-final.pdf)
※2…参照資料:日本建築士事務所協会連合会 BIMと情報環境ワーキンググループ「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査 報告書(2019)」(https://www.njr.or.jp/pdf/BIM_report_web.pdf)

代表的なBIMソフトや
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