BIMソフトを活用したオペレーター業務には資格を取得する必要はありません。そのため、電気工事や施工関連作業と異なり、BIMの関連資格を取得していない状態でも業務へ従事できます。
なお、BIMに関する国家資格は、2022年時点で創設されていません。
ただし、BIMオペレーター関連の求人には、CADソフトの実務経験など高度なスキルが求められています。BIM関連の業務未経験ではBIMオペレーターとして働くことが難しい状況なので、民間の資格で学んでおく意味はあります。
BIMを用いた建築設計は、建築業界で導入されていてかつ国や発注企業にとって注目されています。そのため、建設会社は、BIMの導入および関連資格の取得、高度なスキルや技術の習得といった点に注力していくのが重要なポイントです。
中でもBIM関連資格の取得は、BIMに関する専門知識の習得と正しい活用方法の理解につながり、受注件数や事業拡大にもつながる可能性があります。また、社内でBIMに関する研修や資格取得の支援を行うことが、BIM資格取得者を増やすために大切です。
設計事務所を運営している代表者の中でBIMの技術や知識を社内に取り入れたい方、さらに設計関連の知識を深めて業界で長く働きたいと考えている設計担当者、BIMに関する知識が不足していて体系的に学びたい方などは、BIM関連の資格取得を検討するメリットがあります。
他には、BIMオペレーターおよび設計未経験で、これから建設業界で設計業務に携わりたい方は、早い段階でBIMについて学んだり資格取得を目指してみたりするのも大切です。
グラフィソフト社が販売しているBIM「ARCHICAD」に関する資格が、ARCHICADオンライン認定試験です。同ソフトは30年以上建設業界で活用されているのが特長です。
ARCHICADオンライン認定試験は、ARCHICADの操作方法から実務で求められる設定や活用方法などといった点に関する問題が出題されます。試験を受けるための費用は無料なので、費用負担を気にせず申し込めるのが嬉しいポイントです。
受験方法については、インターネット上で受験できます。また、試験時間は30分間です。点数の基準は100点で、100点満点中何点獲得したかによってマスターもしくはゴールドマスターという名称の資格を付与されます。マスターは、設計チームのリーダーに必要な知識や技術を習得、ゴールドマスターはプロジェクト全体の管理者としてソフトを管理運用できる状態を指します。
Autodesk社のBIM「Revit」に関する資格試験が、Revit Architecture ユーザー試験です。Revitは、国内外で活用されているBIMなので、管理運用方法を習得できればさまざまな現場で活用できます。試験時間は50分で、30問の問題を解いていきます。内容は選択式の問題と、実際にソフトを操作しながら問題を解く実技が含まれています。30問中73%以上の正解率であれば合格水準とみなれ、認定証明書が交付されます。
受験するには、最寄りの試験会場へ申込手続きを行う必要があります。試験当日は、試験会場で本人確認を行ったのち、会場で試験を受ける流れです。認定証明書については、合格後にHPからダウンロードできます。
建設業界で主に使用されているBMソフトは、前述で紹介したAutodesk社のRevitとグラフィソフト社のARCHICAD、そして福井コンピュータアーキテクト社のGLOOBEです。
RevitとARCHICADは、どちらもチーム設計が可能で、複数人での図面作成や確認、リアルタイムでのデータ共有などに対応しています。
福井コンピュータアーキテクト社のGLOOBEは日本製のBIMなので、国内の建築基準法や日本の構造規格に沿ったデータが組み込まれています。そのため、初めてBIMを使用する方にも使いやすいのが特長です。また、多彩な機能が搭載されていて、3Dモデルから図面の自動生成、チーム設計などに対応しています。
BIM関連資格は、BIMソフトの基本的な操作方法や機能、応用的なテクニックなどを学ぶ上で役立ちます。しかし、BIMオペレーターに求められるのは、資格の有無ではなく実務経験やCADに関する知識や技術です。
これからBIMオペレーターを目指す方は、BIMの認定試験を通じた知識や基礎的な技術習得に加えて、設計に関する技術やCAD関係の実務経験を積みながら、現場で求められるものを習得していくのが大切です。
また、当サイトでは建築業界で働きたい方やさらなるスキルアップを目指す方に向けて、さまざまなBIMを紹介しています。この機会にBIMの使い方やソフトの種類などを当サイトで参考にしてみてはいかがでしょうか。