LODは、「Level Of Detail」または「Level Of Development」の略称です。Level Of Detailは部位ごとの詳細さを意味し、Level Of Developmentはある進捗段階での部位ごとの確かさを意味したもの。国土交通省が定めたBIMガイドラインでは、LODは「詳細度」を表現する言葉として定義されています。
LOD(Level of Detail)は3DデザインやCGの世界ではメジャーな存在で、CGでは視覚距離に応じて細かさの度合を3~4段階に制御することを指す言葉です。BIMにおけるLODにおいてもBIMモデルの入力状態を6段階に分けて定義しており、LOD100、LOD200、LOD300、LOD400のように記載します。数字が大きくなるほど、BIMモデルが作りこまれた詳細な状態を意味しています。
BIMはさまざまな情報を盛り込めるのがメリットですが、初期の設計プロセスから情報を詳細に盛り込んだBIMモデルを作ろうとすると、時間がいくらあっても足りません。BIMモデルはただでさえ作成に時間がかかるため、設計フェーズごとにBIMモデルをどこまで作りこむのかの定義が必要になります。
そこでBIMを推進したい国土交通省では、設計フェーズごとのデータ基準を定めたBIMガイドラインを作成。BIMガイドラインには設計フェーズを「基本設計方針策定時」「基本設計図書作成時」「実施設計図書作成時」「完成図等作成」に分類しており、それぞれの段階におけるBIMモデルの詳細度を整理したものがLODです。
LODで設計フェーズごとの詳細度を定義しておけば、必要以上に情報を盛り込む必要がなくなり、BIMモデルの作図手間を軽減できるメリットがあります。
建設業界でBIMの導入が進んでいるものの、従来の2Dの施工図が未だに主流で、3DのBIMモデルは確認のための補足として使われているのが現状です。BIMが施工図として主流にならない原因としては、3Dモデルの作成には時間がかかると考えられているため。BIMの課題を解決しようと、新たなアプローチとして登場したのが設計フェーズごとのデータ基準を設定したLODです。
かつて2D-CADの登場で施工図の作り方が変わったように、LODによりBIMが主流になることで建設プロセス改革が実現し、業務の効率化や生産性の向上が期待されています。