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BIMの効果・メリット

BIM導入による効果やメリット

設計品質を向上できる

BIMを使うことで設計の初期段階のうちから建物の内観や外観のデザインを3次元で見て色々な角度から検証することができます。リビングルームの見通し、壁などの圧迫感、キッチンの動線など納得いくまでチェックすることができるので高品質で満足度の高い建物を造ることができます。構造解析などのシミュレーション結果を設計に反映させて設計品質をあげることも可能です。

コスト削減が可能

施工中や完成後の問題点を設計段階でも発見し解決することができ、工事の手戻りが減って完成後の手直しも少なくなることでコスト削減につながります。BIMモデルを利用すれば現場で施工していた部材なども設計段階で決められます。工場でプレハブ化し施工も簡素化することが可能となります。

設計や管理の手間を省き工期の短縮ができる

建築確認申請には平面図、立面図、断面図、建具表、仕上げ状が必要となりますが、BIMを利用することで整合性の高い図面を作ることができ、これまで行っていたような修正やチェックの手間を省くことができ設計のスピードアップが図れます。また前倒しで施工できるので部材の発注、現場への納品が早くできるようになり手戻りも防止できます。

安全確保ができる

現場合わせを必要としないくらい高レベルな検討が設計段階のうちにできるので、工場でのプレハブ化ができるようになります。それにより現場での高所作業や仮施工が少なくなり作業員数も減らすことができるので現場の安全性も高くなります。

設計初期から環境解析が可能

BIMでは建物内通風性能、自然光利用率、年間光熱費、年間空調費などを3D環境シミュレーションで自動計算でき、建物環境性能評価指数であるCASBEEも設計途中で調整できるので設計初期からの環境解析が可能となります。工事現場においては手戻りや廃棄残材が少なくなるので環境に配慮した工事を行うことができます。

設計イメージが共有できる

建築図面だけ見て良いと思っていても、工事が始まると柱が邪魔だとか動線が良くないなどの問題がでてきがちです。BIMモデルでは建物形状や内部空間を3次元で再現して完成後の姿を確認できます。建築関係者と施主の間で設計イメージをヴィジュアルで共有することが可能となるので思った通りの建物を建てることができます。

施工問題を事前解決できる

建物の仕様は最初から全て決まっているのではなく、工程が進んでいく間で徐々に詳細に具体的になっていくというのが一般的です。しかし配管などが決まっていなかったために施工時に梁とぶつかってしまい手直し工事が発生することもあります。BIMを利用すればフロントローディング(業務の前倒し)施工前に問題を解決できコストアップにもつながります。

情報共有によって良い建物が造れる

これまでの建築は意匠設計者が建物設計をしてから配管や電線設計などの設備設計をし、その後で施工するという流れで行われ、そのため手戻りが多いという問題がありました。良い建物を早く安くつくるには施工時の課題や問題を着工前に解決するフロントローディングが重要です。BIMによって施主や建築関係者がモデルや情報を共有すれば良い建物を早く安く造ることができます。この概念をIPD(インテグレーテッド・プロジェクト・デリバリー)といいます。

働き方改革に繋がる

BIMの推進は建築業界の仕事環境をいい意味で変革できる可能性があります。BIMは従来の紙による二次元から、三次元の電子データを積極的に利用する方法により生産性のアップを目指すというものです。

三次元に変化することで二次元データだけではわかりにくかった情報を、より分かりやすく伝えられるように。たとえば立体模型や三次元モデルを使用し、地域説明会で関係者の理解をうながすことも期待できるのです。

切土や盛土の量も自動算出でき、施工時も進捗状況を見える化できます。工程管理や施工手順の効率化により各種調達業務もスムーズになるでしょう。建築業界における負担を軽減できるため、働き方改革という観点からも有効とされています。

BIMソフトの導入は急速に進んでいる

2020年度に建設関係者480人に行った調査(※1)にて56.4%が勤務先でBIMを導入していると回答されているように、BIMの導入は急速進んでいます。 BIM導入済みの286の設計事務所においては、65.9%が「効果があった」とし、プレゼン力の向上、ミスの減少、時間短縮などの実感も得られています(※2)。
代表的なBIMソフトやおすすめの連携ソフトもまとめていますので、検討してみてはいかがでしょうか。

※1…参照資料:2020年度BIM活用実態調査レポート(日経BPコンサルティング) (https://damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/www/apac/pdf/bim-report-final.pdf)
※2…参照資料:日本建築士事務所協会連合会 BIMと情報環境ワーキンググループ「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査 報告書(2019)」(https://www.njr.or.jp/pdf/BIM_report_web.pdf)

代表的なBIMソフトや
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