TOPページでもご紹介している、BIMソフトと連携してプレゼンテーションをランクアップさせる「レンダリングソフト」3製品を本サイトの編集チーム・スタッフが実際に使って比較してみました。レンダリング設定や操作感、各オブジェクトの種類や配置、表現などについて画面画像とともに、使い比べた感想をまとめています。
同じモデリングデータを取り込み、Enscape、Lumion pro 11、Twinmotion 2021を使用して添景(樹木・人・車)を配置してレンダリングを行いました。
各レンダリングソフトで、すべての作業に要した時間は
Enscapeを10とすると、Twinmotion:8でLumion:7。
つまり、所要時間が少なかったのは、Lumion、Twinmotion、Enscape の順でした。
Enscapeは添景を選択する際、ロードに時間がかかり作業時間が増える印象でした。
Twinmotionは人や車の配置の際、パスを作成する必要があり、多少作業時間を要しました。
添景作業で重要な、I:樹木、II:インテリア、III:人物、で比較してみました。
各レンダリングソフトの樹木・インテリア・人物等の添景(オブジェクト)の保有数は
Asset Libraryというオブジェクトウィンドウを開く際に、ネットワーク検索を要するため、全オブジェクトの表示に時間がかかりました。
Lumionは、家具の色を自由に変更することも可能です。
回転や移動の動きが付いた開き戸や引き戸が用意されています。
3次元で配置できる人物データについては、見え方は違いますが、どれも同等の品質だと思います。
EnscapeとLumionは指定する人物データを、指定の位置に配置することができます。
一方、Twinmotionはパスを作成し、そのパス上に複数の人物が配置されるため、想定した位置に人を配置するには一手間必要でした。携帯を持つ・手を挙げる等の動作を指定することが可能です。
Enscapeでは、レンダリング時の明るさやコントラストの設定が数字と文字のみのパラメータで表示されているため、直感的な操作がしにくいと感じました。
Lumionでは操作項目ごとにアイコンがあるため、操作内容がイメージしやすいです。
Twinmotionも操作項目ごとにアイコンがあるため、操作内容がイメージしやすいです。
最後に、リアルタイムビジュアライゼーションを実現するLive Sync(ライブシンク)機能について。
Enscapeにはライブシンク機能があり、SketchUp等のモデリングソフトで編集した内容が瞬時にレンダリング画面に反映されます。
Lumionにもライブシンク機能があり、SketchUp等のモデリングソフトで編集した内容が瞬時にレンダリング画面に反映されます。
Twinmotionにはライブシンク機能はありませんが、Directlinkといったプラグインツールを用いることで、モデリングデータを編集し、プラグインツールの更新ボタンを押せば、Twinmotion上のデータも更新されるといった機能があります。
しかし、あくまでもデータ更新されるだけで、モデリング画面と同じ画面がTwinmotionの画面上に表示されるわけではありません。
最後に、レンダリングソフト3製品を試してみた感想のまとめです。
Enscape | Lumion | Twinmotion | |
---|---|---|---|
レンダリング 画像 |
|||
作業時間 | 3番目△ ロードに時間がかかり作業時間が増える |
1番スピーディ◎ | 2番目〇 配置のパス作成で多少作業時間を要する |
添景の数 | 2522個 | 5840個 | 何千個(詳細不明) |
操作性 | 設定が数字と文字のみのパラメータ表示。直感的な操作ができない | 操作項目ごとにアイコンがあり直感的・感覚的に操作できる | 操作項目ごとにアイコンがあり直感的・感覚的に操作できる |
2020年度に建設関係者480人に行った調査(※1)にて56.4%が勤務先でBIMを導入していると回答されているように、BIMの導入は急速進んでいます。
BIM導入済みの286の設計事務所においては、65.9%が「効果があった」とし、プレゼン力の向上、ミスの減少、時間短縮などの実感も得られています(※2)。
代表的なBIMソフトやおすすめの連携ソフトもまとめていますので、検討してみてはいかがでしょうか。